2018年6月2日土曜日

ふれーばーてきすと風妄想の掃き溜め 竜の逆鱗に首輪を付ける

ある所に主人には忠実だが、それ以外にとってはたいそう恐れられた竜がいた。
あまりに周囲が恐れるため、主人は長い年数をかけて竜の力を抑える首輪を作り、竜に与えた。

その首輪は十分に強力なものだったが、竜はその間に成長し大して意味をなさなかった。
竜は長い年数をかけて自身のための首輪を作ってもらえてことを喜び、なお一層忠実になった。
結局周囲の者には変わらず、いや今までより「輪」をかけて恐れられた。


「竜の首輪」
高コストのため大量生産は不可能だが、竜族の力を抑えることができる首輪。
・・・として作られたが、作成期間より竜の成長が上回ったため、
失敗作のように扱われた悲劇の作品。

目的は達成できなかったものの、その機能自体は強力。
通常の竜族であればほとんど力を失い、他の大半の種族が付けようものなら処刑器具に変わる。

首輪を手で引くことによって更に効果が強まる機能もあったが、
そもそも逆鱗近くに手を伸ばせる存在は主人以外にはいなかった。

なお後日、鎖を内蔵した腕輪と足輪により、人間程度の筋力まで抑えることに成功する。が・・・

文明や技術の発展に伴い、竜族の武力的な脅威は相対的に薄くなった一方、
長い寿命や高い知能、そして知識や金銭への強い執着の方が恐れられるにしたがい、
存在自体が忘れられた。


元ネタ(パクリ元)
猫の首に鈴を付ける
チェーホフ短編集
巣作りドラゴンとか

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